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自重のない、ニ/コニ/コ動画用の腐向けブログ。
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やんでれ?


エチャ中のテンションはよくわからない。





 


ごめんな、と小さく小さく彼は言った。

 

 

彼の世界を暗闇に染めて。
彼を求める全ての人間から、そのひだまりから、彼という存在を奪った。
一度だけ、彼が「どうして」と問うたので、「あなたを失いたくないんです」と睦言のように囁いた。

 

人間を守る為に戦い、時には命さえも削って。
妖からすれば、人間の生命(いのち)などあまりにも脆く、そして儚い。
そんないきものに心奪われた己を、ひたすらに哀れと嗤う。望んだのは、強さの糧となる愛だったというのに。
夕焼け色の瞳が映し出すその姿は、彼が知る中で最も弱く、浅ましい狐だろう。

 

「大丈夫です。もう何も、あなたを傷付けない。」

(私は、傷付かない。あなたを失う恐怖を忘れられる。)

 

「私が、傍にいます。」

(あなたさえいればそれでいい私の、たった一つの我が儘なんです。)

 

 

陽の下で愛すべきもの、守るべきものに囲まれて、眩しい笑顔を見せる彼を……、見詰めていた筈の美しい世界を、黒く黒く塗り潰して。
生温い拘束は唯一。
此処に居て、私を、私だけを愛して。
理不尽な妖狐を、それでも突き放せない彼の優しさ。
……あなたが逃げたら、きっと私は、『  』を壊してしまうから。
呪いのように、愛の告白のように、数多の夜に紡いだ。

 


「愛しています、先生。」

腕の中で理性を失った愛しい人に、今日もまた、哀しい鎖の金属音を響かせる。

 

 

 


ごめんな、と小さく小さく彼は呟いた。


とっくにお前の愛してくれた哀れな男は死んだのだと、お前が抱いているのは存在理由を失った亡霊なのだと……告げる事も叶わずに。


 

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わ、わ・・・!!
すごい…これがあの漫画の元ですか…!?
相変わらず表現がうまいです…!
情景や感情がすごく伝わってきます。玉藻先生が間違っていることは分かっているのに…もう手遅れなのに…それでも謝罪をする鵺野先生が切ないです。
小説を読んで、どうしよう…こんな玉ぬもいいかも!と思ってしまいました。
そうですよね…一歩間違えば玉藻先生ってこんな感じになる要素持ってますよね。
アップしていただきありがとうございます!!もう…一生ついていきますよ、はづき様!!
由良 2009/08/17(Mon)21:25:03 編集
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